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中華人民共和国労働契約法(中华人民共和国劳动合同法日文版)

文章编辑:网络编辑部  发布日期:2016-12-05

中華人民共和国労働契約法
2007629日中国の全人代常務委員会28次大会 「労働契約法」を採択した
 
 
第1章 総則   
      
第1条 労働契約制度を整備し、調和のとれた安定的労働契約関係を明確し、発展させて、労働者の合法的な権益を擁護するために、本法を制定する。
第2条 中華人民共和国国内の企業、個人経済組織、民弁非企業単位(注)(以下、使用者という)と労働者とが労働関係を形成し、労働契約を締結し、履行し、変更し、解除し、終了する場合には本法を適用する。
公務員および公務員法によって管理する従業員以外で、国家機関、事業機関、社会団体が労働者と労働契約関係を形成する場合、労働契約の締結、履行、変更、解除、終了は本法により執行する。
第3条 労働契約を締結する場合には合法、公平、平等、自発的意思、協議による一致、誠実信用の原則を遵守しなければならない。
  労働契約は法により締結された後ただちに法的拘束力を生じ、使用者と労働者は労働契約で規定された義務を履行しなければならない。
第4条 使用者は法により規則制度を確立し整備し、労働者が労働者の権利を享有し労働義務を履行することを保障しなければならない。
  使用者が労働者と密接な関係のある利益と直接かかわる労働報酬、勤務時間、休憩?休暇、労働安全衛生、保険福利、従業員研修、労働規律および労働達成度管理などの規則制度または重要事項を制定し、改正し、決定する場合には従業員大会または従業員全体での討論を経て、案と意見を提出し、労働組合または従業員代表と平等な協議を経て確定しなければならない。
  規則制度の実施過程で労働組合または従業員が使用者の規則制度は不適当であると考える場合には、使用者に対して提案し協議により改正する権利がある。
  労働者と密接な関係にある利益に直接かかわる使用者の規則制度は開示するか、もしくは労働者に告知しなければならない。
第5条 県級以上の人民政府の労働行政部門は、同じ級の労働組合および企業側代表と健全に労働関係を協議する三者体制を確立し労働関係に関する重大問題を共同研究して解決する。
第6条 労働組合は労働者と使用者とが法により労働契約を形成し履行するように支援し指導し、使用者と集団協議機構を設立し労働者の合法権益を維持しなければならない。
 
第2章 労働契約の締結
 
第7条 使用者は、雇用の日からただちに労働者と労働関係を形成する。使用者は、従業員名簿を作成しなければならない。
第8条 使用者が労働者を雇用する場合、労働者に対して勤務内容、勤務条件、勤務場所、業務上の危険、安全生産状況、労働報酬、その他労働者が知りたいと要求する状況を正しく告知しなければならない。使用者は労働者の労働契約と直接関係する基本的状況につき知る権利を有し労働者は正しく説明しなければならない。
第9条 使用者が労働者を雇用する場合には、労働者に対し担保の提供を求めたりその他の名目で労働者から財物を受取ってはならず、労働者の居民身分証またはその他の証明書を押収してはならない。
第10条 労働関係の成立にあたっては、書面労働契約を締結しなければならない。
すでに労働関係が成立しているが書面形式で労働契約を締結していない場合は、雇用の日から一ヶ月以内に書面による労働契約を締結しなければならない。
使用者が労働者を雇用する前に労働契約を締結した場合、労働関係は労働者を雇用する日から成立する。
第11条 使用者が雇用の際に書面による労働契約を締結しておらず、労働者と合意した労働報酬が不明確な場合には、新規雇用の労働者の待遇は企業または業界の集団契約の規定の基準により執行しなければならない。集団契約がない場合には使用者は労働者に対し同工報酬(注)を実行しなければならない。
  (注) 同一労働同一賃金の原則
第12条 労働契約期間は、固定期限があるもの、固定期限のないものおよび一定の仕事の完成をもって期限とするものの3種類とする。
第13条 固定期限付き労働契約とは使用者と労働者とが契約の終了時期を合意している労働契約をいう。
  使用者と労働者が協議により合意に達すれば固定期限つき労働契約を締結できる。
第14条 固定期限がない労働契約とは使用者と労働者が契約の終了時期を合意していない労働契約をいう。
  使用者と労働者が協議により合意に達すれば固定期限がない労働契約を締結できる。下記のいずれかの状況があるとき、労働者が労働契約の継続を申し出た場合には固定期限がない労働契約を締結しなければならない。
(1) 労働契約更新時に、労働者がすでに当該使用者において連続して満10年以上勤務している場合
(2) 使用者が労働契約制度を初めて実行するか、または国有企業が制度改革後に新たに労働契約を締結するときに、労働者が当該使用者において連続して満10年以上勤務しているか、もしくは法定の退職年齢からみて10年以内の場合
(3) 固定期限付き労働契約を連続して2回締結したのちにさらに更新する場合、但し、労働者は39条と401項、2項の状況のない場合
  使用者は労働者を雇用してから1年を経って、書面労働契約を締結しない場合、固定期限のない労働契約を締結したと看做す。
第15条 一定の仕事の完成をもって期限とする労働契約とは、使用者と労働者とが合意して、ある一定の仕事の完成をもって契約期限とみなす労働契約をいう。
使用者と労働者とは協議の上合意に達すれば、一定の仕事の完成をもって期限とする労働契約を締結できる。
第16条 労働契約は使用者と労働者が協議のうえ合意し、かつ使用者及び労働者が契約書に署名または捺印することで発効するものとする。
労働契約は使用者と労働者が一部ずつ保有しなければならない。
第17条 労働契約は以下の条項を備えていなければならない。
(1) 使用者の名称、住所および法定代表者または主要責任者
(2) 労働者の氏名、住所、および居民身分証またはその他の有効な証明書番号
(3) 労働契約期限
(4) 勤務内容および勤務場所
(5) 勤務時間および休憩休暇
(6) 労働報酬
(7) 社会保険
(8) 労働保護および労働条件と職業病保護
(9) 法律法規の規定で労働契約に入れるべきとされるその他の事項
労働契約においては前項に規定する必須条項以外に、使用者と労働者が協議のうえ試用期間、従業員養成、商業秘密の保持、補助保険および福利厚生待遇などの事項を約定することができる。
第18条 労働契約において労働報酬および労働条件などの基準が不明確なため争議が起きた場合には使用者と労働者は再度協議することができる。協議不成立の場合には集団契約の規定を適用する。集団契約をしない場合もしくは集団契約でまだ規定していない場合には国家関連規定を適用する。
第19条 労働契約が三ヶ月以上一年未満の場合の試用期間は一ヶ月を超えてはならない。労働契約が一年以上三年未満の場合に試用期間は二ヶ月を超えてはならない。三年以上の固定期限付き労働契約及び固定期限のない労働契約の試用期間は六ヶ月を超えてはならない。
同一の使用者が同一の労働者と試用期間を約定するのは一回限りとする。
一定の仕事の完成をもって期限とする労働契約または労働契約の期限が三ヶ月未満の場合は、試用期間を約定してはならない。
労働契約で試用期間のみを約定しているか、または労働契約の期間が試用期間と同じ場合は、試用期間は成立せず、当該期間を労働契約の期間とする。
第20条 労働者の試用期間の賃金は当該会社の同類の職場の最低賃金または労働契約で約定した賃金の80%を下回ってはならない。また、当該会社所在地の最低賃金を下回ってはならない。
第21条 試用期間中は39条と401項、2項の場合を除いて、使用者は労働契約を解除できない。使用者が試用期間中に労働契約を解除する場合には労働者に理由を説明しなければならない。
第22条 使用者が労働者に対し特別技術養成を行う場合、当該労働者と協議を締結し、服務期間を約定することができる。
労働者が服務期間の約定に違反した場合、約定により使用者に対して違約金を支払わなければならない。違約金の金額は、使用者が提供する養成費用額を越えてはならない。違約行為のあった場合に労働者が支払う違約金は、服務期間の未履行部分に割り当てられるべき養成費用を超えてはならない。
使用者と労働者が約定した服務期間の場合、使用者は賃金調整システムによって労働者の服務期間における労働報酬を増額しなければならない。
第23条 使用者と労働者は労働契約の中で使用者の商業秘密の保持と知的財産に関する事項を約定することができる。
  使用者の商業秘密保持の責任を負う労働者に対して、使用者は労働契約あるいは秘密保持協議の中で競業制限条項を約定することができ、かつ労働契約を解除または終了したのちに競業制限期間内に月給制で労働者に対して支払う経済補償について約定することができる。労働者が競業制限の約定に違反した場合には、約定に基づき使用者に違約金を支払わなければならない。
第24条 競業制限の対象人員は使用者の高級管理人員、高級技術人員および機密保持義務を負う人員に限られる。競業制限の範囲、地域、期限は使用者と労働者の約定によることとし、競業制限の約定は法律法規の規定に違反することができない。
  労働契約の解除あるいは終了後に前項の規定の人員が、もとの企業と同種の製品もしくは業務を生産または経営している競争関係にある他の使用者に到達し、またはもとの企業と競争関係にある同種の製品もしくは業務を自ら開業して生産しもしくは経営することを制限する場合にはその期間は2年を超えてはならない。
第25条 本法第22条および第23条の規定の状況以外には使用者は労働者と労働者が負担する違約金を約定してはならない。
第26条 下記の労働契約は無効または一部無効とする。
①詐欺、脅迫等の手段により又は相手方の危機に乗じ、相手方の意志に反して労働契約を締結させる場合
②使用者が自らの法定責任を免除し、労働者の権利を排除している場合
③法律、行政法規の強行規定に違反する場合。
労働契約の無効または一部無効については、労働行政機構、労働争議仲裁機構または人民法院が確認する。
第27条 労働契約の一部無効がその他の部分の効力に影響を及ぼさない場合には、他の部分は、なお有効である。
第28条 労働契約の無効が確認されたが、すでに労働者が労務を提供している場合には、使用者は労働者に対して労働報酬を支払わなければならない。労働報酬の金額は同一使用者の相当または類似職場の労働報酬を参考にする
 
第3章 労働契約の履行と変更
 
第29条 使用者と労働者は労働契約の約定により全面的に各自の義務を履行しなければならない。
第30条 使用者は労働契約および国家規定の約定に従い、期限に満額の労働報酬を支払わなければならない。
使用者の労働報酬の支給遅滞の場合または一部のみの支給の場合には、労働者は人民法院に対し支給命令を申請することができる。
第31条 使用者は労働達成基準を厳格に執行しなければならず(注)、労働者に残業を強制したり形を変えた残業強制を行ってはならない。使用者が残業を手配する場合には国家関連規定にもとづき労働者に対して残業代を支払わなければならない。
(注)労働ノルマを過重に課してはならない意味
第32条 労働者は使用者の管理人員の規則違反の指揮、危険な作業の強制に対して拒否する権利を有し、そのような拒否を労働契約の約定行為の違反とみなしてはならない。生命の安全及び身体の健康をおびやかす労働条件に対しては批評し、告発し、訴える権利を有する。
第33条 使用者が名称、法定代表者、主要責任者または投資者、登録、登記届出などの事項を変更しても労働契約の履行に影響を及ぼさない。
第34条 使用者に合併または分割等の状況が生じても元の労働契約は継続して有効であり、労働契約はその権利義務を承継する使用者が継続して履行する。
第35条 使用者と労働者は協議により合意に達すれば、労働契約の約定内容を変更することができる。
  労働契約の変更は書面に変更内容を記載する書面形式を採用しなければならず、使用者と労働者双方の署名または押印により効力を生じる。
  変更後の労働契約書は使用者と労働者が各自一部を所持しなければならない。
 
第4章 労働契約の解除と終了
 
第36条 使用者と労働者は協議のうえ合意に達すれば労働契約を解除できる。
第37条 労働者は30日前に書面形式の通知を使用者に提出することで労働契約を解除できる。労働者が試用期間内にある場合には労働契約を解除できる。
労働者は試用期間中に3日前に使用者に通知し、労働契約を解除できる。
第38条 以下のいずれかの状況にある場合、労働者は使用者に対して労働契約を解除できる。
(1) 使用者が労働契約の約定どおりの労働保護と労働条件を提供しない場合
(2) 使用者が期限に労働報酬を満額支給しない場合
(3) 使用者が法に基づいた労働者のための社会保険費用を納付しない場合
(4) 使用者の規則制度が法律法規の規定に違反し労働者の権益に損害を与える場合
(5) 26条1款規定の規状況によって、労働契約無効を引き起こす場合
(6) 法律、行政法規で規定されているその他の状況
使用者が暴力、威嚇または違法に人身の事由を制限する手段で労働者に労働を強制し、あるいは使用者が規則に違反して、危険な作業を指示し、もしくは強制して労働者の人身の安全をおびやかす場合には、労働者はただちに労働契約を解除でき、使用者に事前に告知する必要がない。
第39条 使用者は労働者に下記のいずれかの状況にある場合、労働契約を解除することができる。
  (1) 試用期間中に採用条件に合致していないことが証明された場合
  (2) 使用者の規則制度に著しく違反し、使用者の規則制度にもとづいて労働契約を解除すべき場合
  (3) 著しい職務怠慢、不正利得行為により使用者の利益に重大な損害を与えた場合
  (4) 労働者が他の使用者と同時に労働関係を持ち、業務遂行に著しい影響を与えて、使用者の指摘にもかかわらず是正しなかった場合
  (5) 本法第26条第1項により労働契約が無効と認められる場合
  (6) 法により刑事責任を追及された場合
第40条 下記のいずれかの状況にある場合、使用者は30日前に、書面形式により労働者本人に通知するか、または労働者に1か月分の賃金を支払ったのちに労働契約を解除できる。
(1) 労働者が病気になり、または業務外での負傷により規定の医療期間の満了後ももとの業務に従事できず、ローテーションして他の業務にも従事できない場合
(2) 労働者が業務に耐えられず、養成訓練もしくは職場の調整を経てもなお業務に耐えられない場合
(3) 労働契約の締結時に依拠していた客観的な状況に重大な変化が発生し、労働契約の履行ができなくなり、使用者と労働者の協議を経ても労働契約の内容変更につき合意ができなかった場合
第41条 下記のいずれかの状況にあり、労働契約の履行が不可能となり、20人以上の人員削減が必要な場合または20人未満であっても従業員総数の10%以上の人員削減が必要な場合には、使用者は人員削減の30日前までに労働組合または従業員のすべてに状況を説明しなければならず、労働組合または全従業員の意見聴取の後に、人員削減案を労働行政部門に報告した上で人員削減を行うことができる。
  (1) 企業破産法の規定により重整(注)を行う場合
  (2) 生産経営がきわめて困難になった場合
  (3) 企業産業転換や技術革新、経営方式調整の場合で、労働契約を変更した後にも、なお人員削除をしなければならない場合
  (4) その他労働契約締結時に依拠していた客観的経済情勢に重大な変化があり労働契約の履行が不可能になった場合
人員削減に際しては下記の労働者を優先的に残さなければならない。
(1) 本企業と比較的長期の固定期限付き労働契約を締結している者
(2) 固定期限がない労働契約を締結している者
(3) 家庭に他の就業人員がなく扶養の必要な老人または未成年者のいる者
  使用者は本条1款の規定に照らし、人員削減に際して6ヶ月以内に新たに人員を募集する場合には、人員削減された者に通知しなければならず、等しい条件の下では削減された人員を優先的に雇用しなければならない。
(注)企業再編
第42条 労働者に下記のいずれかの状況がある場合には、使用者は本法第40条、第41条の規定により労働契約を解除することができない。
(1) 職業病の危険を伴う業務に接して従事していた労働者が職場を離れる前に職業病の健康診断を行っていないか、または職業病の疑いのある労働者が診断を受けている途中あるいは医学的観察期間内である場合
(2) その企業で職業病にかかったか、あるいは業務上の負傷によって労働能力の一部または全部を喪失したことが確認された場合
(3) 病気または負傷により規定の医療期間内にある場合
(4) 女子の従業員が妊娠、出産、哺乳の期間内である場合
(5) その企業で連続して満15年勤務し、かつ法定退職年齢まで5年未満である場合
(6) 法律、行政法規で規定されているその他の状況下にある場合
第43条 使用者の側から労働契約を解除する場合は、事前にその理由を労働組合に通知しなければならない。使用者が法律、行政法規の規定もしくは労働契約の約定に違反している場合には、労働組合は使用者に是正を要求できる。使用者は労働組合の意見を検討して労働組合に対し処理結果を書面で通知しなければならない。
第44条 下記のいずれかの状況がある場合には労働契約は終了する。
(1) 労働契約期間の満了
(2) 労働者がすでに法により基本養老保険待遇を享受し始めた場合
(3) 労働者が死亡したか、または人民法院で死亡宣告もしくは失踪宣告を受けた場合
(4) 使用者が法により破産宣告を受けた場合
(5) 使用者が営業許可取消しもしくは閉鎖命令、撤退及び解散を受けた場合
(6) 法律、行政法規で規定されているその他の状況下にある場合
第45条 労働契約が満了したが、本法第42条に規定する状況がある場合、労働契約は相応の状況が消失するまで継続し、その状況がなくなったときに終了する。ただし、本法第42条第2項の規定した部分的に労働能力を失った労働者の労働契約の終了については、労災保険の関連規定の執行による。
第46条 下記のいずれかの状況がある場合には使用者は労働者に対して経済補償を支払わなければならない。
(1) 労働者が本法第38条の規定により労働契約を解除した場合
(2) 使用者が本法36条の規定により、労働者に労働契約を解除及び使用者と労働者は協議のうえ合意に達すれば労働契約を解除した場合
(3) 使用者が本法第40条の規定により労働契約を解除した場合
(4) 使用者が本法第41条第1項の規定により労働契約を解除した場合
(5) 使用者が労働契約の約定条件を維持しまたは引き上げて労働契約の継続を行おうとしても労働者が継続に同意しない状況である場合を除き、本法第44条第1項の規定により固定期限付き労働契約を終了する場合
(6) 本法第44条第4項、第5項の規定により労働契約を終了する場合
(7) 法律、行政法規で規定されているその他の状況下にある場合
第47条 経済補償は労働者がその企業で働く年限によって、満一年毎に一ヶ月の給与を支払うという基準で労働者に対して支払う。6ヶ月以上一年未満の場合は一年として計算する。6か月未満の場合、労働者に半月の報酬の経済補償金を支払わなければならない。
労働者の月給が使用者所在の直轄市或いは区が設置されている市の前年度職工平均月給の3倍以上になる場合、経済補償の基準は職工平均月給の3倍を支払い、経済補償の年限は最高12年を越えない。
本条でいう月給とは、労働者の労働契約の解除または終了前の12ヶ月間の平均給料である。
第48条 使用者が本法の規定に違反して労働契約を解除または終了し、労働者が労働契約の継続履行を要求する場合には、使用者は継続履行をしなければならない。労働者が労働契約の継続履行を要求せず、または労働契約の継続履行が既に不可能な場合には使用者は本法第87条に規定されている経済補償基準の2倍を労働者に対して支払わなければならない。使用者が賠償金を支払った後に労働契約は解除または終了となる。
第49条 国家は労働者社会保険を地域の渡り移動する措置をとる。
基本養老保険の個人口座の異動を徐々に実現する措置をとる。
第50条 使用者は労働契約を解除または終了する日に労働契約解除または終了の証明を出さなければならず、15日以内に労働者の档案(注)及び社会保険の移転手続を行わなければならない。
  労働者は双方の約定に基づき、誠実信用の原則を守り業務の引継ぎを行わなければならない。使用者が経済補償を支払わなければならない場合には業務引継ぎの終了時に労働者に対して支払わなければならない。
  使用者はすでに解除または終了した労働契約書を2年以上、当局の調査のために保存しなければならない。
(注) 人事ファイル
 
第5章 特別規定
 
第1節 集団契約
 
第51条 企業の従業員と使用者とは平等な協議を通じて労働報酬、勤務時間、休憩?休暇、労働安全衛生、保険?福利厚生等の事項について集団契約を締結することができる。集団契約の草案は従業員代表大会または従業員すべてに提供して討論を経なければならない。
  集団契約は労働組合が企業の従業員側を代表して使用者と締結する。労働組合をまだ設立していない使用者は上級の労働組合の指導により労働者が推薦する代表が使用者と締結する。
第52条 集団契約を締結した後は労働行政部門に報告しなければならない。労働行政部門が集団契約書を受領してから15日以内に異議を提出しない場合には集団契約はただちに効力を生じる。
  法により締結した集団契約は使用者と労働者に拘束力を有する。
第53条 県級以下の地域における建築業、採鉱業、飲食サービス業などの業界は労働組合と企業側代表とが業種別集団契約または地域別集団契約を締結することができる。業種別、地域別集団契約は当地の当該業種、当該地域の使用者と労働者に拘束力を有する。
第54条 企業の従業員と使用者とは労働安全衛生、女性従業員の権益保護、賃金調整システムなどの専門の集団契約を締結することができる。
第55条 集団契約中の労働条件と労働報酬の標準は当地の人民政府の規定する最低標準より高くなければならない。使用者と労働者が締結する労働契約中の労働条件と労働報酬の標準は集団契約の規定する標準より低くなってはならない。
第56条 使用者が集団契約に違反し、従業員の労働権益が侵害された場合には、労働組合は法により使用者に責任を負うように要求することができる。集団契約の履行により争議が発生し、協議を経ても解決しない場合には、労働組合は法により仲裁の申請または訴訟提起をすることができる。
 
第2節 労務派遣契約
 
第57条 労務派遣機関は会社法の関連規定に基づき設立し登録資本は50万元を下回ってはならない。
第58条 労務派遣機関は本法の使用者とし、労働者に対する使用者の義務を履行しなければならない。労務派遣機関が派遣労働者と締結する労働契約は本法第17条で規定されている事項以外に、 派遣労働者の派遣先企業および派遣期間、職場などの状況が記載されていなければならない。
  労務派遣機関は派遣労働者と2年以上の固定期限付きの労働契約を締結し、月極めの労働報酬を支払わなければならず、勤務のない期間は労務派遣機関所在地の最低賃金標準により、毎月労働報酬を支払わなければならない。
第59条 労働者を派遣する労務派遣機関は労務派遣形式で派遣を受ける派遣先企業(以下、派遣先と言う)と労務派遣協議を締結しなければならない。労務派遣協議には、派遣される職場、人数、派遣期間、労働報酬、社会保険料の金額と支払い方法、協議に違反した場合の責任について明確にしなければならない。
  派遣先企業は職場の実際上の必要性に基づき労務派遣機関との間で派遣期間を明確にしなければならず、連続した派遣期間を分割して複数の短期労務派遣協議を締結してはならない。
第60条 労務派遣機関は労務派遣協議の内容を派遣労働者に対して告知しなければならない。
労務派遣機関は派遣先が労務派遣協議に基づき派遣労働者に支払う労働報酬の上前をはねてはならない。
  労務派遣機関と派遣先企業とは派遣労働者から費用を徴収してはならない。
第61条 地域外に労働者を派遣する労務派遣機関は派遣労働者に派遣先所在地区内での標準により労働条件と労働報酬を執行し享受させなければならない。
第62条 派遣先企業は下記の義務を履行しなければならない。
(1) 国家の労働基準を執行し、相応の労働条件と労働保護を提供すること
(2) 派遣労働者への業務上の要求と労働報酬を告知すること
(3) 残業代、業績賞与を支払い、職場に関連する福利厚生待遇を提供すること
(4) 職場で派遣労働者に必要な養成訓練をおこなうこと
(5) 連続派遣の場合には正常な賃金調整システムを実行するlこと
派遣先企業は派遣労働者を他の使用者に再派遣してはならない。
第63条 派遣労働者は派遣先企業の労働者と同工同酬の権利を有する。派遣先企業に同種の職場の他の労働者がいない場合には、派遣先企業所在地同じ職位または類似職位の労働者の報酬に参照して確定する。
第64条 派遣労働者は労務派遣機関または派遣先企業において法により労働組合に参加もしくは組織して、自らの合法的権益を維持する権利を有する。
第65条 派遣労働者は本法第36条、第38条の規定により、労務派遣機関と労働契約を解除することができる。
  派遣労働者が本法第39条と401項、2項で規定する状況にある場合には、派遣先企業は労働者を労務派遣機関にかえすことができ労務派遣機関は本法関連規定により労働者と労働契約を解除することができる。
第66条 労務派遣は一般に臨時的、補助的もしくは代替的な業務の職場で実施されるべきである。
第67条 派遣先企業は労務派遣機関を設立してはならず、当該企業または所属企業に労働者を派遣してはならない。
 
第3節 その他の雇用形式
 
第68条 非全日制雇用は時間給を主とするもので、労働者が同一使用者のもとで一般に一日の勤務時間が平均して4時間を超えず、一週間の勤務時間が累計で24時間を超えない雇用形式を指す。
第69条 非全日制雇用については口頭による協議を締結する。
  非全日制雇用に従事する労働者は一または二以上の使用者と労働契約を締結することができる。ただし後に締結した労働契約は先に締結した労働契約の権利と義務に影響与えてはならない。
第70条 非全日制雇用は試用期間を約定してはならない。
第71条 非全日制雇用の双方当事者はどちらからでも、いつでも相手方に雇用の終了を通知することができる。雇用の終了には経済補償は支払われない。
第72条 非全日制雇用の時給標準は使用者所在地の最低時給標準に低くてはならない。
非全日制雇用の労働報酬の締め日の周期は長くても15日を超えてはならない。
第73条 個人請負業者が労働者を雇用し、本法の規定に違反して労働者に損害を与えた場合、発注側の個人又は組織は個人請負業者と連帯して賠償責任を負う。
 
  第6章 監督検査
 
第74条 国務院労働行政部門は労働契約制度実施の監督管理の責任を負う。
  県級以上の地方人民政府の労働行政部門は当該行政区域内の労働契約制度の実施の監督管理の責任を負う。
  県級以上の各級人民政府の労働行政部門が労働契約制度実施の監督管理業務を行う際には、労働組合、使用者代表組織および関連業界の主管部門の意見を聴取しなければならない。
第75条 県級以上の地方人民政府の労働行政部門は法により下記の労働契約制度の実施状況につき監督検査を行う。
(1) 使用者が制定した労働規則制度の状況
(2) 使用者が労働者と労働契約を締結し解除した状況
(3) 労務派遣機関と派遣先との労務派遣関連規定の遵守状況
(4) 使用者の勤務時間と休憩休暇の規定の遵守状況
(5) 使用者が労働契約で約定した労働報酬を支払い、最低賃金基準を執行している状況
(6) 使用者が各種社会保険に参加し社会保険料を納付している状況
(7) 法律法規の規定するその他の労働監察事項
第76条 県級以上の地方人民政府労働行政部門が監督検査を実施する際に労働契約、集団契約に関する資料を閲覧する権利を有し、労働場所で実地検査を行う権利を有し、使用者と労働者とはいずれも正確な関連状況と資料を提供しなければならない。
  労働行政部門の人員が監督検査を行う場合には証明書を提示しなければならず、法に従った礼節のある法執行を行わなければならない。
第77条 県級以上の人民政府の建設、衛生、安全生産監督管理などの関連主管部門は各自の職責の範囲内で使用者に対して労働契約制度の執行状況を監督管理する。
第78条 労働組合は法による労働者の合法的権益を維持し、使用者に対して労働契約、集団契約の履行状況の監督を行う。使用者が労働関係の法律法規、労働契約、集団契約に違反している場合には、労働組合は意見を提出し、または是正処理をすることを要求できる。労働者が仲裁を申請するかまたは訴訟を提起する場合には、労働組合は法に従った支持と援助を与える。
第79条 いかなる組織または個人も本法違反の行為について告発する権利を有し、県級以上の人民政府労働行政部門はすみやかに調査、処理し、告発につき功労のあった者には報償金を与えなければならない。
 
第7章 法律責任
 
第80条 使用者が制定した労働規則制度が法律、法規の規定に違反している場合には無効であり、労働行政部門により警告され是正を命じられる。労働者に対して損害を与えた場合には使用者は賠償責任を負わなければならない。
第81条 使用者が提供した労働契約書に本法で規定した労働契約の必須条項が記載されていない場合には、労働行政部門により是正を命じられる。労働者に対して損害を与えた場合には使用者は賠償責任を負わなければならない。
第82条 使用者が雇用の日から1ヶ月を超えても労働者と書面労働契約を締結しない場合には、労働者に対して報酬の2倍の賃金を支払わなければならない。
第83条 使用者が本法の規定に違反し労働者と約定した試用期間は無効であり、労働行政部門により是正を命じられ、違法に約定した試用期間がすでに履行された場合には、使用者は労働者の月給を基準として、違法に約定した試用期間の期限に基づき労働者に対して賠償金を支払わなければならない。
第84条 使用者が本法の規定に違反して労働者の身分証などの証書を差押えた場合には公安機関により労働者本人に期限内に返還するように命じられ、関連法律規定により罰せられる。
第85条 使用者が本法の規定に違反して労働者に対し担保の提供を要求し、労働者から財物を徴収した場合には労働行政部門により期限内に労働者本人に対して返還することを命じられ、労働者1名につき500元以上2000元以下の基準で罰金に処せられる。労働者に対して損害を与えた場合には使用者は賠償責任を負わなければならない。
  労働者が法により労働契約を解除、終了するに際して使用者が労働者の档案またはその他の物品を差押えた場合には前項の規定に照らして処罰される。
第86条 使用者が下記のいずれかの状況にある場合には、労働行政部門により期限を定めて労働報酬、残業代または解除、終了した労働契約の経済補償金を支払うよう命じられる。労働報酬が当該地の最低賃金標準より低い場合には、その差額部分を支払わなければならない。期限を過ぎても支払わない場合には使用者は労働者に対し50%以上100%以下の基準で賠償金を付加して支払うよう命じられる。
(1) 労働契約の約定に従わないか、または本法の規定に従わないで労働者に労働報酬を支払った場合
(2) 労働者に当該地の最低賃金標準より低い賃金を労働者に支払った場合
(3) 残業を手配しながら残業代を支払わなかった場合
(4) 労働契約を解除、終了しながら本法の規定に従った経済補償金を労働者に支払わなかった場合
第87条 締結した労働契約が、本法第26条により無効と確認された場合、労働行政部門は500元以上2万元以下の罰金に処することができる。相手方に損害を与えた場合は、過失がある一方は賠償責任を負わなければならない。
第88条 本法の規定に反して固定期限がない労働契約を締結しない場合には、労働契約を解除または終了する際に使用者は本法第47条に規定する経済補償金基準の2倍を労働者に賠償金として支払わなければならない。
第89条 使用者に下記のいずれかの行為があり犯罪を構成する場合には、法により刑事責任を追及する。治安管理に違反する行為があった場合には法により行政処罰が与えられる。労働者に対して損害を与えた場合には使用者は賠償責任を負わなければならない。
(1) 暴力、威嚇または違法に人身の自由を制限する手段で労働を強制した場合
(2) 規則違反の指示によりまたは危険作業を命じて労働者の人身の安全をおびやかした場合
(3) 侮辱、体罰、殴打、違法な取調べまたは労働者の拘禁が行われた場合
(4) 労働条件が劣悪であり、環境汚染がひどく、労働者の心身に損害を与える場合
第90条 使用者が本法第50条第1項の規定に従わず、労働者に対して労働契約を解除または終了する証明書面を出さない場合、労働行政部門により是正を命じられる。労働者に対して損害を与えた場合には使用者は賠償責任を負わなければならない。
第91条 使用者は、他の使用者との労働契約を解除または終了していない労働者を雇用し、もとの使用者に損害を与えた場合には賠償責任を負わなければならない。
第92条 労働者が本法の規定に違反して労働契約を解除し、または労働契約中で約定した秘密保持事項もしくは競業制限に違反し、使用者に対し経済損失を与えた場合には賠償責任を負う。
第93条 労務派遣機関が本法の規定に違反した場合には、労働行政部門により期限を定めて是正を命じられる。情状が悪い場合には、1名の労働者につき1千元以上5千元以下の基準で罰金に処せられ、かつ工商行政管理部門により営業許可を取り消される。派遣労働者の権益が損害を受けた場合には労務派遣機関と派遣先は連帯して賠償責任を負う。
第94条 営業許可なく経営した機関は法により処分され、当該機関の労働者がすでに労働を提供している場合には、処分を受けた機関または出資人が労働者に労働報酬を支払う。
第95条 労働行政部門とその他関連主管部門およびその職員が法定の職責を履行せず、もしくは違法に職権を行使し、使用者または労働者の合法権益に損害を与えた場合には賠償責任を負う。直接責任を負う主管人員およびその他の直接責任ある人員は法により行政処分が与えられる。犯罪を構成する場合には法による刑事責任を追及する。
 
  第8章 附則
 
第96条 本法第2条第2項に規定した事業単位が任用制労働契約を採用し、法律、行政法規及び国務院が別途規定を定めた場合は、それらの規定に従う。
第97条 本法施行前にすでに法により締結し、かつ本法施行まで存続する労働契約は、引き続き履行する。
本法第14条第2項第3項が規定した固定契約付き労働契約を連続的に締結する回数は、本法施行後に固定期限付き労働契約を継続して締結するときから計算する。
本法施行前にすでに成立した労働関係で、書面契約をまだ締結してない労働契約は、本法施行後一ヶ月以内に締結しなければならない。
本法施行の日まで存続した労働契約で、本法施行後に解除または終止し、本法第46条により経済補償を払うべき場合には、経済補償の年限は本法施行日により、計算する。本法施行前、当時の規定により、使用者は労働者に経済補償金を支払う。
第98条 本法は2008年1月1日より施行する。

 



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